世界に知られた犯罪都市の歴史

(2018年1月)

日本から遠く離れたアフリカは、ジャングルや砂漠が大部分を占め、野生の動物や独特の民族文化の印象が強いと思います。

2018年1月から約2ヵ月間、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ・プレトリア・ケープタウン・ダーバンを訪れました。
今回訪れた南アフリカ共和国は、アフリカ最大の経済大国です。
2010年のサッカーワールドカップも記憶に新しいと思います。
ヨハネスブルグは、標高が高く高原が広がります。

街の中心部にはビルが立ち並びビジネスマンも多く、人で混雑しています。

ケープタウンは、世界的に人気のリゾートであり壮大な海と山に囲まれ、湿度が低く過ごしやすい地中海気候です。喜望峰やテーブルマウンテンなどの観光スポットも有名です。

一見、先進国で過ごしやすそうですが、これらの都市は一部観光地域を除き、犯罪発生率がとても高く、治安の悪い都市として世界的に有名です。ここでの犯罪要因の多くは貧困にあります。

私が今回訪れた目的の一つは、貧困が生む犯罪のある社会を体感し、解決策などの気づきを得るためです。

この問題は、南アフリカ共和国の歴史が関係するので一部割愛させていただき省略概要を記述致します。

その昔、南アフリカには多くの集落があり、黒人である現地民族が暮らしていました。

しかし、1650年頃に東インド会社として喜望峰に渡航してきたオランダ移民ボーア人との争いで土地が奪われ、ボーア人や彼らがインドネシアから連れてきたマレー人との間に生まれた混血のカラードという民族集団も増えて行きました。
1790年頃には、金やダイヤモンドの鉱脈のためにイギリスに占領され支配下におかれました。
イギリスは、徐々に奴隷制度を築いていきましたが、ついに1948年大々的に「アパルトヘイト」という人類史上最大の悲劇である人種差別制度が施行されます。
それは、白人と非白人(黒人、カラード、アジア人)を分ける制度です。
非白人は白人のための労働者(奴隷)であり、住む場所、賃金、学校、交通機関、レストラン、恋愛、遊ぶ場所ですらハッキリ分かれていました。

このシステムは労働者が極端に低賃金であるため、経済面でも急速に発展しました。
金やダイヤモンドの資源も手に入れ、白人は豊かになっていきました。

その後1970年代からアパルトヘイト反対運動が激化し、ついに1994年に完全撤廃されました。

さて、アパルトヘイトは撤廃しましたが、今でもその名残があります。

例えば、当時黒人やカラードが暮らしていた場所は、タウンシップと呼ばれ、今でも多く存在します。
タウンシップは、トタンやコンクリートで簡易的に作られた家が並んでいるエリアです。

決して裕福ではありませんが、何とか生活はできています。

これは、他地域のスラム・ゲトーと似ています。
ここに職業の選択肢の一つとして、ギャングスターカルチャーが根付いており、縄張り争いによる殺人、強盗、ドラッグ取引などがはびこっています。
タウンシップによっては、ギャングスターばかりのエリアもあれば、もちろん健全な市民のタウンシップもあります。
仕事がない中、交差点で信号待ちの時に何かを売ったり、車の窓ガラスを拭いてコツコツと小銭を稼いでいる人たちもいます。

私が今まで見てきたスラムと、南アフリカのタウンシップとの違いは、その規模です。

ヨハネスブルグ近郊にあるソウェトというタウンシップでは100万人以上が暮らしています。
初めはこの光景に驚きましたが、次第に慣れ、ここでは当たり前の光景ということを認識しました。
この100万人分のトタンの家が消えて、普通の家が立ち並んだらすごいことです。

タウンシップの方々が、トタンの家に住んでいる場合じゃない、居心地が悪くて仕方がないと思った瞬間、その家々は変わっていくでしょう。
政府に任せておくと、きっと次のステップは他国同様、集合住宅を建設し、そこに暮らす流れになるでしょう。
彼ら自身で気づき、自立した新たなライフスタイルを見つけてほしい思いはあります。

そのタウンシップがある反面、昔からこの地で暮らす白人層(人口の10%未満)の多くは遺産を受け継ぎ、仕事をしながら立地の良い家で裕福な暮らしを送っています。
私が出会った白人層の方々は、とても良い人ばかりで、差別なんかしておらず、むしろ貧困を支援する仕事や、難民や貧困層の人たちを率先して雇用しています。

ある若い白人男性は、今まで5回ほど電車の中で強盗にあったことがあると言っていました。

日本でいうと、お小遣いのないヤンキーが裕福な私立学校の優等生を発見してカツアゲしてるイメージです。
確かに夜間街中を歩いていると、こちらを見る目つきが威圧的だったり、妙に間合いを詰めようとしてくるガラの悪い人は多いです。
治安が悪いという問題は、近い将来解決できると思います。
それは、南アフリカ共和国で暮らす人々も政府も、誰もが解決したいと思っているからです。

また、私はそのような犯罪都市に注目するあまり、ある異様な光景に気づきませんでした。

それは、ホームレス・ピープルの圧倒的な多さです。
ここで暮らすみなさんは麻痺してるのか、異常さに気づいていません。
アメリカやカナダをはじめ多くの国で思ったことですが、ホームレス・ピープルが路上で寝ていたり、ゴミ箱を漁っていたり、物乞いをしていたりしますが、90%以上無視している光景しか見ません。
こちらの方に、ホームレス・ピープルについて質問すると「精神病である」、「アルコール・ドラッグ中毒者である」だから仕方がない。彼らは「自己責任」だと言う人が多くいます。
また政府は、彼らの生活を保護するためのシェルターや生活保護の政策も出しているとの事です。
彼らは政策を受ければ、政府の支配下に置かれ自由が効かなくなる事を知っています。
彼らが選択したライフスタイルは、それはそれで素晴らしい選択であると思います。
​しかし、私にはゴミ箱を漁っている姿をみて「自己責任」であるとは言えません。

素直にこの気持ちが大切ではありませんか?
​​
私は他の誰もがやらなくても、彼らに食べ物やお金を与えます。洋服や靴も与えます。
ただ与えるのではなく、気持ちを込めて与えます。
何も持ち合わせてない時は、気持ちを贈ります。
そして、この利他的な活動こそが、貧困を解決できる一歩であることに気づきました。
このアクションを世界に大きく広げ、利他的な社会を築いていくことが、誰もがHappinessを実感できる社会ではないでしょうか。


ブログのリンクはこちら

2017 GIVE IT TO YOU !
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう